お知らせ

2019-11-20

2019年度こころと福祉の講演会&相談会

「ギャンブルを考える」を開催いたします

詳細は催し物のご案内ページをご覧ください

2019-09-25
横浜へのIR(カジノ)誘致反対署名活動へのご協力をお願いいたします

     IR(カジノ)誘致反対署名活動

   ご協力のお願い


 極めて残念なことですが、令和元年8月22日、林横浜市長が横浜市にIR(カジノ)誘致を表明、続いてカジノ誘致が横浜市議会に上程、承認されました。ギャンブル障害対策はカジノ誘致と同時に十二分に保証され進められる事業と説明されていますが、現場で日々ギャンブル障害あるいはその併存疾患の治療に悩まされている我々が「本当に大丈夫なのか」「対策は可能なのか」を疑い、「対策はとても覚束ない」ことを訴え、カジノ誘致を取り下げてもらう必要があります。そこで、横浜市を含む神奈川県内精神医療関連団体に協力を依頼し、賛同の得られた6機関を中心に署名活動を行うこととしました。詳細は署名用紙をご覧ください。

パチンコ、公営ギャンブルともにその多くは戦後の混乱期に生まれ、多数の本人、家族、関係者を悩ませてきました。これ以上、悲惨な被害をもたらす新たなギャンブル施設は不要です。一度作り完成したものを取り壊すには作るとき以上の巨大なエネルギーと時間を要します。現在のパチンコ、公営ギャンブルの隆盛がそれを裏付けます。将来生まれる子どもたちのため、大きな災いとならぬよう、新たなギャンブル施設誘致に反対しましょう。ぜひ、ご署名をお願いします。将来の横浜を、神奈川を担う父親、母親、こどもたちのためです。

 

署名用紙は県内署名用と一般用に分かれています。神奈川県内在住の方は県内署名用にご記入ください。また、署名用紙を取りまとめた際はできるだけ郵送で事務局までご送付ください。ファックスでも受け付けますが、あくまで郵送を原則としてください。

                                横浜市精神科医会

                               一般社団法人  神奈川県精神科病院協会

                               一般社団法人 神奈川県精神保健福祉士協会

                               一般社団法人 日本精神科看護協会神奈川県支部

                               一般社団法人 神奈川県作業療法士会

                               一般社団法人 神奈川県精神神経科診療所協会

                               (順不同)


署名期日:令和元年11月30日まで

署名用紙はこちらからダウンロード

できます 

 神奈川県内用署名用紙  

 神奈川県外用署名用紙

2019-07-22

2019年7月17日

神奈川県保険医協会

理事長 森 壽生様

提案書

(横浜市へのカジノ誘致反対行動について)

 

一般社団法人神奈川県精神神経科診療所協会会長  斎藤庸男

 

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

常日頃よりわれわれ精神科医、精神医療にご理解、ご支援をいただきありがとうございます。

2016年12月に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(通称IR推進法)」、2018年7月に「特定複合観光施設区域整備法(通称IR整備法、IR実施法)」が公布されたことにより、全国で統合型リゾート(IR)誘致の動きが見られるようになりました。

また、同時に「ギャンブル等依存症対策基本法」が公布され、本人や家族の生活に支障を生じさせ、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせるギャンブル依存症に対し、政府や都道府県に対して対策計画の策定、実施をすることが明記されました。世界保健機関(WHO)はギャンブル依存症を精神障害と定義しており、日本では2017年に厚生労働省の研究班が、成人の3.6%(男性6.7%、女性0.6%)、推計320万人にギャンブル依存症の疑いがあるという推計を発表しています。

現在、横浜市は「IR誘致について現時点では『白紙』」とのことですが、5月27日に国内外の民間事業者から寄せられたIRの構想案などをまとめた調査報告書を公表されました(「IR等新たな戦略的都市づくり検討調査(その4)報告書」)。そこには、横浜市の情報提供依頼に応じた12事業者すべてが横浜市中区の横浜港山下ふ頭での整備を想定するなど、IRの誘致が具体化されるような内容が述べられています(朝日新聞2019年5月28日神奈川版)。

 このような現状に対し、横浜市の精神医療に携わるわれわれは、カジノができることによりギャンブル依存症が増える可能性をとても懸念し、

『横浜市にIRは誘致はしない』

という決定を横浜市がするよう、さまざまな方法を用いて働きかけをしているところです。

 この件は精神科医療だけにとどまらず、医療や生活全般に関わることであり、とくに将来の横浜市の子ども達が健全に生育するために重要なことと考えています。

ぜひ貴会におきましてもこの問題に取り組んでいただき、ともに横浜市や横浜市民に訴えていくことができればと希望しています。

 ご高配のほどよろしくお願い申し上げます。


 参考までに、これまでの医学的知見の一部を以下に列挙いたします。

*カジノがある地域ではギャンブル依存症の患者が増える

・アメリカの研究:カジノ近隣の住民ほど常習者になる確率が高くなり、常習者ほど依

   存症になる確率が高まる。14)17)

 

*ギャンブルにアクセスしやすいほどギャンブル依存症の患者が増える15)

・海外の研究:ゲーミングマシン数と問題ギャンブラーの割合には正の相関を示した。

  11)15)

・アメリカの5州:人口あたりの宝くじ売上額が高い州ほど病的賭博疑いの有病率が高

   かった(正の相関まではなかった)。15)16)

・ギャンブルの利用しやすさ、報酬の大きさなどがギャンブル行動の継続に重要な役割

を果たす。5)8)

・賭博場の利用しやすさがギャンブル依存症の危険因子となる。6)8)

・自宅から3キロ以内にパチンコ店ができると、男性ではギャンブル依存症を疑われる

  確率が高まる。4)

 

*ギャンブルにより経済的破綻を来たしやすい

・ギャンブル依存症100名の負債額は平均595万円であった。9)

・ギャンブル依存症100名のうち21名が債務整理を行なっており、うち5名は2回の債

   務整理を行なっていた。債務整理をしてもギャンブル行為がやむとはいえない。10)

 *ギャンブルと自殺の関連が大きい12)

・ギャンブラーズ・アノニマス(GA)参加者を対象とした調査で、自殺企図経験者が半数

   以上であった。2)

 *ギャンブルにより犯罪が引き起こされる3)

・ギャンブル依存症の診断基準に明記されているように、そもそもギャンブル依存症と

   犯罪が結びつきやすい傾向がある。1)18)

・ギャンブルを行なうための金銭を得るために、窃盗や横領などで逮捕あるいは起訴さ

   れ、裁判に至る事例も多い。ただ、示談によって事件と扱われない場合も多い。3)

・賭博はそれ自体が刑罰の対象となるだけでなく、暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の

   副次的犯罪にも繋がる恐れがあるために規制されている。3)

 *ギャンブル依存症は家族や周囲の人たちへの影響が大きい7)

・患者のギャンブル行為によって、家族には精神科的疾患が生じやすい。10)

・借金を家族が肩代わりすることもあるが、それでギャンブルによる借金を繰り返して

   しまう。3)

 *ギャンブル依存症に精神科併存症が多い

・ギャンブル依存症にアルコール依存症・薬物依存症など他の依存症、うつ病などの気

   分障害、パーソナリティ障害などが併存することが多い。6)8)

・精神科合併症を主訴に精神科を受診する可能性が大きい。9)

 *ギャンブル依存症治療が可能な医療機関・相談機関が少ない

・ギャンブル依存症を診たことのある精神科医は少ない。8)9)

・自助グループや理解のある司法関係者などと連携して治療ができる医療機関はごくわ

   ずかである。15)

*依存症全般に言えるが、治療には難渋することが多い

・ギャンブル依存症の治療薬として承認された薬物はまだない。13)

・依存症治療は自助グループがその中心であるが、数はまだ不足している。15)

 

文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental

Disorders,5thed(DSM-5)、American Psychiatric Publishing、2013(日本精神神経学会日本語版

用語監修高橋三郎,大野裕監訳:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル、医学書院、2014

2)芦沢健:ギャンブル依存症の自殺リスクはGA参加で予防できるか?、精神科治療学32:1517、

2017

3)蒲生裕司:司法を考慮した精神科医療と支援-ギャンブル障害、精神科治療学33:917、2018

4)後藤励:毎日新聞、2018年2月28日東京朝刊

5)Hodgins DC,Stea JN,Grant JE:Gambling disorders、Lancet 378:1874、2011

6)Johansson J,Grant JE,Kim SW,et at:Risk factors for problematic gambling:a critical

literature review、J Gambl Stud 25、67、2009

7)町田政明:ギャンブル依存症の家族支援と本人の社会復帰活動からみえるもの、精神科33:538、

2018

8)松下幸生:ギャンブル障害-現状とその対応-、精神医学60:161、2018

9)森山成:病的賭博者100人の臨床的実態、精神医学50:895、2008

10)森山成:ギャンブル症者100人の臨床的実態(続報)、臨床精神医学48:517、2016

11)Storer J,Abbott M,Stubbs J:Access or adaptation? A meta-analysis of surveys of

problem gambling prevalence in Australia and New Zealand with respect to concentration

of electronic gaming machines、Int Gambl Stud 9:225,2009

12)田辺等:ギャンブル依存症(病的賭博)と自殺、精神科治療学25:223、2010

13)田辺等、小原圭司:ギャンブル障害-わが国の現状と課題-、精神科33:489、2018

14)鳥畑与一:カジノは地方経済を再生させるか、月刊保団連1247:34、2017

15)鶴身孝介:データから考えるカジノ解禁、精神科33:533、2018

16)Volberg RA:The prevalence and demographics of pathological gamblers:Implications for

public health、Am J Public Health 84:237、1994

17)Welte JH,et at:Gambling and Problem Gambling in the United States、Changes Between

1999 and 2013

18)World Health Organization(融道男,中根允文,小見山実ほか監訳):ICD-10精神および行動の障

害-臨床記述と診断ガイドライン-新訂版、医学書院、2005

2019-07-17
横浜市医師会水野会長に面会し手渡しました

2019 711

一般社団法人横浜市医師会

      会長  水野 恭一様

要望書

(横浜市へのカジノ誘致について)

 

横浜市精神科医会             

                   会長 山口 哲顕

一般社団法人神奈川県精神科病院協会    

                   会長 竹内 知夫

一般社団法人神奈川県精神神経科診療所協会 

                   会長 斎藤 庸男

  時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 常日頃よりわれわれ精神科医、精神医療にご理解、ご支援をいただきありがとうございます。

  さて、201612月に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(通称IR推進法)」、2018 7月に「特定複合観光施設区域整備法(通称IR整備法、IR実施法)」が公布されたことにより、全国で統合型リゾート(IR)誘致の動きが見られるようになりました。

 また、同時に「ギャンブル等依存症対策基本法」が公布され、本人や家族の生活に支障を生じさせ、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせるギャンブル依存症に対し、政府や都道府県に対して対策計画の策定、実施をすることが明記されました。世界保健機関(WHO)はギャンブル依存症を精神障害と定義しており、日本では2017年に厚生労働省の研究班が、成人の3.6(男性6.7%、女性0.6%)、推計320万人にギャンブル依存症の疑いがあるという推計を発表しています。

  現在、横浜市は「IR誘致について現時点では『白紙』」とのことですが、 527日に国内外の民間事業者から寄せられたIRの構想案などをまとめた調査報告書を公表されました(IR等新たな戦略的都市づくり検討調査(その4)報告書」)。そこには、横浜市の情報提供依頼に応じた12事業者すべてが横浜市中区の横浜港山下ふ頭での整備を想定するなど、IRの誘致が具体化されるような内容が述べられています(朝日新聞2019 528日神奈川版)

  このような現状に対し、横浜市の精神医療に携わるわれわれ3団体は、カジノができることによりギャンブル依存症が増える可能性をとても懸念し、貴殿に

横浜市にIRは誘致はしない

という決定を横浜市がするように働きかけをしていただきたく要望いたします。

 将来の横浜市の子ども達が健全に生育するためにも重要なことと考えています。

 よろしくご高配のほどお願い申し上げます。

 

 参考までに、これまでの医学的知見の一部を列挙いたします。

 

*カジノがある地域ではギャンブル依存症の患者が増える

・アメリカの研究:カジノ近隣の住民ほど常習者になる確率が高くなり、常習者ほど依存症になる確率が高まる。14)17)

 *ギャンブルにアクセスしやすいほどギャンブル依存症の患者が増える 15)

・海外の研究:ゲーミングマシン数と問題ギャンブラーの割合には正の相関を示した。11)15)

・アメリカの 5:人口あたりの宝くじ売上額が高い州ほど病的賭博疑いの有病率が高かった(正の相関まではなかった)15)16)

・ギャンブルの利用しやすさ、報酬の大きさなどがギャンブル行動の継続に重要な役割を果たす。5)8)

・賭博場の利用しやすさがギャンブル依存症の危険因子となる。6)8)

・自宅から 3キロ以内にパチンコ店ができると、男性ではギャンブル依存症を疑われる確率が高まる。4)

 *ギャンブルにより経済的破綻を来たしやすい

・ギャンブル依存症100名の負債額は平均595万円であった。9)

・ギャンブル依存症100名のうち21名が債務整理を行なっており、うち 5名は 2回の債務整理を行なっていた。債務整理をしてもギャンブル行為がやむとはいえない。10)

 *ギャンブルと自殺の関連が大きい 12)

・ギャンブラーズ・アノニマス(GA)参加者を対象とした調査で、自殺企図経験者が半数以上であった。2)

 *ギャンブルにより犯罪が引き起こされる 3)

・ギャンブル依存症の診断基準に明記されているように、そもそもギャンブル依存症と犯罪が結びつきやすい傾向がある。1)18)

・ギャンブルを行なうための金銭を得るために、窃盗や横領などで逮捕あるいは起訴され、裁判に至る事例も多い。ただ、示談によって事件と扱われない場合も多い。3)

・賭博はそれ自体が刑罰の対象となるだけでなく、暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪にも繋がる恐れがあるために規制されている。3)

 *ギャンブル依存症は家族や周囲の人たちへの影響が大きい 7)

・患者のギャンブル行為によって、家族には精神科的疾患が生じやすい。10)

・借金を家族が肩代わりすることもあるが、それでギャンブルによる借金を繰り返してしまう。3)

 *ギャンブル依存症に精神科併存症が多い

・ギャンブル依存症にアルコール依存症・薬物依存症など他の依存症、うつ病などの気分障害、パーソナリティ障害などが併存することが多い。6)8)

・精神科合併症を主訴に精神科を受診する可能性が大きい。9)

 *ギャンブル依存症治療が可能な医療機関・相談機関が少ない

・ギャンブル依存症を診たことのある精神科医は少ない。8)9)

・自助グループや理解のある司法関係者などと連携して治療ができる医療機関はごくわずかである。15)

 *依存症全般に言えるが、治療には難渋することが多い

・ギャンブル依存症の治療薬として承認された薬物はまだない。13)

・依存症治療は自助グループがその中心であるが、数はまだ不足している。15)

 

文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental

Disorders,5thed(DSM-5)、American Psychiatric Publishing2013(日本精神神経学会日本語版用語監修 高橋三郎,大野裕監訳:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル、医学書院、2014

2)芦沢健:ギャンブル依存症の自殺リスクはGA参加で予防できるか?、精神科治療学 32:1517

2017

3)蒲生裕司:司法を考慮した精神科医療と支援-ギャンブル障害、精神科治療学 33:9172018

4)後藤励:毎日新聞、2018228日東京朝刊

5)Hodgins DC,Stea JN,Grant JE:Gambling disorders、Lancet 378:18742011

6)Johansson J,Grant JE,Kim SW,et at:Risk factors for problematic gambling:a critical

literature review、J Gambl Stud 25672009

7)町田政明:ギャンブル依存症の家族支援と本人の社会復帰活動からみえるもの、精神科 33:5382018

8)松下幸生:ギャンブル障害-現状とその対応-、精神医学 60:1612018

9)森山成あきら:病的賭博者100人の臨床的実態、精神医学 50:8952008

10)森山成あきら:ギャンブル症者100人の臨床的実態(続報)、臨床精神医学 48:5172016

11)Storer J,Abbott M,Stubbs J:Access or adaptation? A meta-analysis of surveys of

problem gambling prevalence in Australia and New Zealand with respect to concentration of electronic gaming machines、Int Gambl Stud 9:2252009

12)田辺等:ギャンブル依存症(病的賭博)と自殺、精神科治療学 25:2232010

13)田辺等、小原圭司:ギャンブル障害-わが国の現状と課題-、精神科 33:4892018

14)鳥畑与一:カジノは地方経済を再生させるか、月刊保団連 1247:342017

15)鶴身孝介:データから考えるカジノ解禁、精神科 33:5332018

16)Volberg RA:The prevalence and demographics of pathological gamblers:Implications for public health、Am J Public Health 84:2371994

17)Welte JH,et at:Gambling and Problem Gambling in the United States、Changes Between

1999 and 2013

18)World Health Organization(融道男,中根允文,小見山実ほか監訳):ICD-10精神および行動の障害-臨床記述と診断ガイドライン-新訂版、医学書院、2005

 以上

2019-05-27

                                   2019年 5月25

 

カジノ誘致反対意見表明

「私たちは横浜へのカジノ誘致に反対します」

  

一般社団法人 神奈川県精神神経科診療所協会

                                     会長 斎藤 庸男 

 

 私たちは、神奈川県内の主に精神科を標榜する診療所の医師を構成員とする団体です。

 約 200名の医師が所属しており、地域の精神保健福祉の向上をめざして活動しています。 

 201612月に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(通称IR推進法)」が公布・施行されました。この法律は、カジノを中心に宿泊施設、テーマパーク、商業施設などを一体的に整備する統合型リゾート(IR:Integrated Resort)の設立を推進するものですが、これまで日本で禁じられていたカジノ(各種の遊戯施設を備えた賭博を主とした娯楽場、賭博場)の解禁につながることから「カジノ法」「カジノ解禁法」「カジノ推進法」とも呼ばれています。 

 この法律を受け、20187月にIRの整備・運営ルールを定めた「特定複合観光施設区域整備法(通称IR整備法、IR実施法)」が公布されました。当面の間はIR施設を全国 3ヶ所に限り、日本人の入場料をやや高めに設定して入場回数も制限するとしていますが、2020年代なかばには、日本初の民営ギャンブルが公認されることになります。 

 それに対応するように「ギャンブル等依存症対策基本法」も同時に公布されました。その中で、ギャンブル依存症を「本人や家族の生活に支障を生じさせ、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせている」と規定し、政府や都道府県に対して対策計画の策定、実施をするよう明記しています。 

 ギャンブル依存症(病的賭博)は、パチンコ、パチスロをはじめとしたさまざまなギャンブルへの衝動が抑制できなくなり、社会的、経済的、心理的問題や対人関係の問題が生じているにもかかわらず、ギャンブルをやめることができなくなる病気です。世界保健機関(WHO)はギャンブル依存症を精神障害と定義しており、日本では2017年に厚生労働省の研究班が、成人の3.6(男性6.7%、女性0.6%)、推計320万人にギャンブル依存症の疑いがあるという推計を発表しています。 

 現在、IR施設誘致に活発な自治体がいくつかありますが、その中の一つに横浜市があります。横浜市長は現在のところ誘致については白紙とのことですが、再開発が予定されている山下ふ頭にIR施設を候補地にするという話が消えたわけではありません。 

 私たち神奈川県精神神経科診療所協会として、下記の点(順不同)から横浜にIR施設(カジノ)を誘致することに反対します(それぞれに調査、研究の裏付けがありますが、今回は省略します)。 

*ギャンブルに関する問題

・経済的破綻を来たしやすい

・現在でも多いギャンブル依存症が、さらに増える可能性がある

・自殺との関連が大きい

・ギャンブルを背景とした犯罪が増える

・家族への影響が大きい

・ギャンブル依存症に精神科併存症(アルコール依存 症・薬物依存症など他の依存症、うつ病などの気分障害など)が多い

・依存症治療が可能な医療機関・相談機関が少ない

・依存症治療には難渋することが多い 

*カジノに関する問題

・入場料の設定は依存防止の役には立たず、高いほうが元を取り戻そうと必死になる

・カジノがある地域ではギャンブル依存症の患者が増える

・カジノに近いほどギャンブル依存症の患者が増える

 

                   

神奈川県精神神経科診療所協会は、“気軽に、安心して受診できる心療の場”を 提供しています。1人で悩まないで一緒に考えましょう。